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2008年10月14日 (火)

北アルプス 槍ヶ岳~穂高岳縦走 3~4日目

Soh_0098_001Soh_0113_013  朝、物音で目が覚めると向かいの人が身支度を始めていた。空を見たら、うっすらと明るくなってきている。前日の疲れからか、夜中に目が覚めることもなくずっと眠っていたようだ。

気持ち悪さも治り、気分も上々。疲れも無い。足がまだちょっと痛いが。

もしまだ気分が悪ければ、このまま同じ槍沢を戻るつもりだったが、天気も良いみたいだし、予定通り行くことにした。

Soh_0128_026 朝日を見るために外へ出る。結構風が強い。気温も8度そこそこ。浅間山の右手から太陽が昇ってくる。

上田辺りが雲海で綺麗だったが、常念岳が遮っていたので期待していたほどではなかった。常念の山頂は良い感じだっただろう。

Soh_0130_028Soh_0131_029  小屋に戻り朝食。昨日喉を通らなかったのでおなかが空いていた。昨日とは対照的におかわりまでする。これなら今日は大丈夫だろう。

荷物をまとめ、入口でドリップのコーヒーをいただいた。僕は毎朝コーヒーを飲む習慣があるのでとてもありがたい。またここでは無料でインターネットが使える。

Soh_0135_033Soh_0137_035  7時前に出発。すぐに急斜面を降る。クサリ、ハシゴが続き、足場も悪いので慎重に通過。降りきったところから今度はのこぎりのような稜線をアップダウンの連続で通過する。

この辺りは道幅が狭く、7割は岩場を歩くのでかなり時間を割いた。所々足場の怪しい場所もあるし、何よりスパッと切れ落ちている斜面をクサリで通過するのだから高度感が物凄い。高所恐怖症の人は立ち往生しそうな場所がいくつかあった。

1ヶ所足場が見つからないところがあって、腕力にものをいわせて無理やり降りたのだが、すぐに足が引っ掛けられたから良かったものの、あそこがもし無ければ冷や汗ものだった。

Soh_0143_041Soh_0145_043  信州川も岐阜側もスパッと切れ落ちているナイフのような稜線の上も何度か通過し、2時間ほどでA沢のコルに到着。

休めそうな場所はここしか無いため、ザックを降ろして小休止。見上げると北穂高岳が物凄い威圧感で聳えている。本当にこんなところに道があるのかと疑いたくなるほどだ。

Soh_0148_046Soh_0149_047Soh_0156_054   よくもまあこんなところに道を作れたものである。道を作るためにルートファインディングをどうやってやったのかなど想像もつかない。

実は僕が中学2年生の頃にここを歩いたことがあるのだが、こんな道を歩いていたのかと正直驚いた。当時は霧が舞っていたので高度感が無く、ここまで難易度の高い岩場だとは思わないで歩いていたのだ。父もよく連れて行ったなあ。知らなかったからか?

15分ほど休んで出発。いきなり壁に張り付いてよじ登っていく。3点支持で慎重に。

Soh_0151_049Soh_0153_051Soh_0155_053   この辺りから左膝の痛みがひどくなってきた。なんとか騙し騙し歩いてきたが、登りも降りも痛くなり、曲げることも辛くなるほどになってしまった。

それでも何とか歩かねばならない。なるべく左膝をかばいながら登るが、時間は普段の倍くらいかかってしまった。

斜面は明らかに45度を超えている。僕は落とすことはなかったが、もし上を歩いている人が小石をけって落としてしまったら大怪我をするだろう。確実に避けられるという自信はない。今度来るときは簡単なヘルメットを持って行こうと思った。だが不思議と高度感はあまり無い。麻痺しているのか?

Soh_0158_056Soh_0163_061  左足をかばいながらヒョコヒョコと登り、11時過ぎにようやく北穂高岳山頂(小屋)(3.106m)に到着した。

本当にオアシスのようだ。ここは北穂山頂の小さな隙間に無理やり建てたような小屋で、テラスからの景色はまさに絶景だ。この日は快晴だったので北は遥か白馬岳、南は富士山まではっきりと見える。写真に収めると逆に面白味が無いかもしれないが。

早速空いているテラスに弁当を広げ昼食。歩いてきた者にしか味わえない満足感が襲う。しばらく足の事など忘れ、ぼんやりと景色を眺めながら食事をしていた。

Soh_0170_067Soh_0171_068Soh_0175_072   と、ここで先に到着していた女性の登山者から写真をとってもらうように頼まれた。この人は槍沢ロッジで見かけた人だった。聞いてみたら槍ヶ岳には登らなかったものの、同じコースを歩いてきたらしい。東京の方で、単独行だそうだ。上高地へは直行のバスが出ているのだそうで、他の山より行きやすいらしい。それでも大キレットを女性一人で何事も無く歩いてきたのは凄い。僕なんか足壊したし。

Soh_0167_064Soh_0179_076Soh_0177_074   しばらくゆっくりしたかったが、翌日の事も考えて早めに下山することにした。本当は奥穂高岳へ縦走し、前穂から紀美子平経由で上高地へ歩きたかったのだが、足がこれでは断念せざるをえない。今日は涸沢か行ければ横尾で泊まろう。

ここからが大変だった。涸沢岳への分岐から急な下り坂に変わり、岩場も多かったのでストックも使うことが出来ず、膝の激痛に絶えながらの下山となった。

とにかく曲げれば痛いのだ。なるべく曲げる方を右足に使って、左足を先に出して一歩づつ歩く。使いすぎて右足も痛み出したらアウトなので、歩幅も狭くゆっくりと。

庇いながら歩いたせいか、半ば辺りから両足の指が痛み出してきた。前に詰まって爪が押され、剥がれかけてきたらしい。

でも人間凄いものである。両方が同時に痛く感じることはないのだ。どちらか痛みの強い方が優先されるらしい。

何とか耐えて、3時丁度に涸沢に到着。ガイドでは2時間と書いてあったが着ける訳が無い。万全な状態でも怪しいものだ。

Soh_0187_083Soh_0189_085  涸沢ヒュッテでまずは休憩。喉が渇いていたのでラムネをいただく。連休前日の金曜日なのでかなりの登山客が訪れていた。

ラムネを飲みながら迷う。ここで泊まってしまうか。あと2時間ほど歩いて、横尾まで行ってしまうか。足のためにはここで泊まった方がいいのだが、横尾の方がお風呂はあるし、翌日上高地へは平地なのでかなり楽だ。足の痛みを翌日に持ち越すよりは、大変でも今日中に行ってしまった方が良いのではないか。

Soh_0190_086 そう思った僕は、痛かったが無理してでも横尾を目指すことにした。20分ほど休んだせいか、膝の痛みは幾分良くなっていた。代わりに今度は足の爪が痛み出す。ちょっとでも足を石に引っ掛けようものなら悶絶ものだ。杖も使えるようになったので、一歩づつ慎重に歩く。

こういうとき、すぐ着くような道でも遥か彼方のように感じるものだ。もうすぐだと思ってもなかなか到着しない。ようやく横尾に着いたのは、辺りも薄暗くなり始めた6時過ぎだった。

南岳小屋から北穂経由で横尾まで。今日は11時間以上も歩いてきた訳だ。文字通り満身創痍だった僕は、小屋の廊下を歩くのもヒョコヒョコしていたらしく(自分では自覚が無かったが)、小屋の人から心配されたりもした。

横尾山荘は、最近建て替えたばかりの小屋で、混雑していたものの他の小屋と同じ料金でまるでホテルのような快適さだった。寝室は寝台列車のように敷居がされていて個室のように寛げる。食事も美味しい。談話室も広く快適。なによりお風呂が凄くて、ジャグジーまで付いていてまるで温泉のようだった。無理して降りてきたのは大正解だった。

落ち着いてから、サポーターの代わりに膝に付けていたテープを剥がしてみた。・・・膝の裏側全体が血だらけだった。擦れていても他の痛みで気付かなかったらしい。持ってきた絆創膏全部使って特に酷いところを塞いでみたが、とても塞ぎきれない。幸い明日は簡単な平地を3時間ほど歩くだけだ。横尾まで降りてきて良かったと心底思った。

4日目は早めに出発してゆっくりと上高地を目指した。天気は雨。体調が良くても奥穂へ行かなくて正解だったわけだ。

こんな雨の中、僕のような帰る登山者はまばらだったが、これから登る登山者の列は徳沢辺りからなんと河童橋まで2時間以上、ずっと切れることなく続いていた。間違いなく1000人は超えている。この日の山小屋の事を想像しただけで気が重くなった。休日にはなるべく行くべきじゃないな・・・。

自分としてはあまり意識していなかったのだが、結構ぎこちない歩き方をしていたらしく、他の登山者から「大丈夫ですか?」と度々声をかけられた。そんなに大変そうに見えたのだろうか?

帰りはスムーズに駐車場まで戻ることができ、車も流れていたので休み休み帰るつもりが一気に下道で帰ってしまった。

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2008年10月 4日 (土)

北アルプス 槍ヶ岳~穂高岳縦走 2日目

Soh_0033_092 朝食は朝5時。白馬の方は6~7時頃だったので、思いのほか早かった。おかげで朝6時には出発することが出来た。

天気は快晴で空は明るいのだが、谷間なので寒い日陰の登山道を歩く。15分ほど登ったところに旧槍沢ロッジの跡がある。ここは度々雪崩が起きて小屋が潰されていたので、今の場所に移ったのだそうだ。今はテント場になっている。

Soh_0036_095 さらに30分ほど登ったのところで太陽が顔を出す。それまで肌寒かったのが、急に暑くなってきた。丁度この辺りから森林限界になってきて、視界も開けてきた。蝶ヶ岳、常念岳も良く見える。

汗をかきながらひたすら登る。天狗原へ行く分岐を過ぎて道は急坂に変わる。天狗原から今日の宿泊地南岳小屋へ行く方が近いのだが、やはりせっかく槍に来たし時間的にも余裕があるので僕は槍を目指す。

Soh_0043_101 だがここからがキツかった。とにかく嫌になるほど単調で急な上り坂で、目の前に槍ヶ岳と槍ヶ岳山荘は見えているのになかなか近づかない。

ゆっくりと登って11時半にようやく槍ヶ岳山荘到着した。

Soh_0054_112 槍沢ロッジから5時間半。近くに感じたがやっぱり遠かった。

上高地からここまで1日で歩くプランがガイドに紹介されているが、相当な体力を持った大学生レベルの人でない限り真似するべきではない。とてもじゃないが僕には無理だ。

あまりに疲れていたので10分ほど身動きできず、空腹だったので先に昼食にした。槍沢ロッジのお弁当は五目チラシだった。酢でシメたご飯が疲れた体に丁度いい。

Soh_0056_114_2Soh_0055_113_2 槍ヶ岳山荘は槍ヶ岳のすぐ下の狭い稜線に建てられた山小屋で、こんな場所にも関わらず収容人数はかなりの多さだ。何度か泊まったことがあるのだが、よくもまあこんな場所に建てられたものだなあといつも感心する。ここからの朝と夕方の風景は正に絶景だ。

一息ついたら、カメラと水だけ持って槍ヶ岳へアタック。下から見ると有り得ないような岩場をクサリとハシゴで登っていくのだが、不思議とそんなに怖くない。強いて言えば最後の長い2段のハシゴくらいだろうか。そこは流石に高度感はあった。

Soh_0059_117Soh_0062_120  空いていたのであっけなく槍ヶ岳(3.180m)頂上へ。それでも7、8人くらい人は来ていた。快晴だったのでそれはもう360度遮るものがない素晴らしい景色が広がっていた。北は立山、南は穂高~乗鞍、東は常念の先に浅間山、西は笠ヶ岳。はるか先に南アルプスや富士山も見える。

Soh_0066_124 先端には祠があるが、これは落雷を防ぐために釘は一本も使われていないのだそうだ。

このとき偶然東鎌尾根から2人組が登って来たのには驚いた。

この尾根は道がなく、途中でビバーク(野宿)しなければならず、垂直の絶壁をも登らなければならない最難関のルートで、何人もの遭難者を出している場所なのだ。このルートを15キロくらいのザックを背負って登って来たのだからこの2人、只者ではない。

Soh_0072_129Soh_0085_142  さらに関西の女子大生3人組も凄かった。3人で白馬からずっと、テント泊で歩き続けているのだそうだ。この日で10日目。上高地へ行くそうだがあと何日かかけて歩くらしい。僕も以前はそんな夢も持っていたが、今はちょっと自信がない。体力の無さを思い知ってしまう。

槍ヶ岳山荘に戻り一息ついた後、ザックを背負って南岳を目指して南下。ここからは縦走路なので比較的楽だ。気持ちのいい尾根歩きがしばらく続く。

Soh_0095_151Soh_0086_143  中岳(3.084m)を過ぎた辺りから少しガスが出始める。岐阜側は見えなくなるが信州側はクリアなので問題は無い。

が、この辺りから左足の膝が痛み出してきた。勤めてゆっくり歩いたのだが、南岳(3.032m)に着く頃には曲げることも辛くなってきていた。

Soh_0093_149 南岳のすぐ下には南岳小屋があったのでひどくなる前に荷物を降ろすことが出来たのだが、翌日が心配になってきた。

ここで知り合った登山者と話したら、普通は槍沢ロッジから南岳に来る場合は、やはり天狗原から登ってくるのだそうだ。槍ヶ岳経由では、時間的には大丈夫だが、体力的には結構大変なルートらしい。そんなの知らなかった僕は、つい無理をして行ってしまい、足を壊したわけだ。

さらに体力的にもギリギリだったようで、夕食の直前に急に気持ちが悪くなってしまい、吐き気で食事があまり喉を通らなくなってしまった。隣の人に話したらそれは水の飲みすぎではないか、との事。確かにこの日だけで3リットルは水を飲んだ(スポーツ飲料を混ぜて)。でも脱水症状はもっと危ないし、どんなものなんだろう。

おかげで食事の後はすぐに寝込んでしまい、夕日の撮影や談話室での楽しみが無くなってしまった。夕日はあまり綺麗じゃなかったそうだが、やはり名残惜しい。この日は夕方5時過ぎには寝込んで、翌朝5時まで、約12時間は布団に入っていた。

3日目へ続く。

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2008年10月 3日 (金)

北アルプス 槍ヶ岳~穂高岳縦走 1日目

9月中旬、写真展の合間に一人で北アルプスの槍~穂高岳へトレッキングに行ってきた。

11月にヒマラヤ、カラパタールへ行くのでその体慣らしのためだ。

8月末~9月上旬まで連日雨の日が続いたが、幸いにも丁度高気圧に恵まれた絶好のタイミングだった。

朝5時に家(群馬)を出発。いつものように寝つきが悪くあまり寝ていない。

高速で小諸I.C.まで飛ばし、18号沿いのコンビニで朝食と買い出し。

下道で三才山トンネルを抜け松本、新島々、沢渡(さわんど)へ。

有料駐車場(1日500円)に車を停め、すぐ前のバス停から上高地へ。この沢渡、いくつも駐車場が道沿いにあるが、初めて行くと空いている日はほぼ必ず手前の駐車場に停めることになるだろう。本当は奥にある市営第2駐車場が足湯もあってとてもいい場所なのだが、手前で誘導している人がいて、そこしか駐車場が無いような気がしてしまうからだ。

Soh_0002_155_2Soh_0003_156_2 片道1000円のバスで1時間もかからず上高地バスターミナルに到着。身支度をしてすぐ出発した。午前10時。一人だから簡単である。

平日のためか登山者も観光客も少ない。河童橋を横に見て、どんどん進む。上高地は横尾までずっと車道が入っており、歩きやすい道になっている。でもとにかく長い。

Soh_0006_159Soh_0008_161  明神を過ぎて徳沢でお昼。コンビニ弁当なので何か味気ない。

40分ほどで出発し、1時間歩いて横尾に到着。ここは穂高方面と槍ヶ岳方面との分岐点だ。横尾の山小屋は最近建て替えたらしく、ホテルのように立派になっていた。

Soh_0014_166_2Soh_0010_163_3  横尾からは登山道らしくなり、道幅は急に狭くなる。といっても傾斜は緩いので、比較的歩きやすい道だ。途中休憩した場所からは今回初めて槍ヶ岳が顔を出した。

川に沿って樹林帯をどんどん進み、あっけなく槍沢ロッジに到着。時計を見たら3時前だった。4時の予定だったのでずいぶん早く歩いたものだ。

槍沢ロッジも最近建て替えたのだろう。以前10年以上前に泊まったときよりはるかに居心地が良かった。でも山小屋は雑魚寝が基本。空いていても一杯になるまでは一部屋に詰め込まれるので、ある程度の混雑まではあんまり大差ないように感じた。

Soh_0026_172Soh_0029_175_2Soh_0028_174_2     時間があるので外に出てみると、望遠鏡が立ててある。覗いてみると、槍のてっぺんがよーく見えた。小屋の人のなかなかの計らいである。てっぺんには何人か人がいて、写真などを撮っているのが見えた。この日は稀に見る快晴だったので、きっと素晴らしい夕日が見えたのだろう。僕がいる方はまだ谷間なので、日が暮れるのは早い。

ちなみにこの山小屋は入浴ができて、汗を流すだけだがゆっくりと湯船に浸かれるのだ。結構ぬるめだったが、山の中ですっきりできただけでもかなり助かる。一緒に入った人は恐らく関西の人で、早く山小屋に着いたので今日中に槍ヶ岳を目指して みたが、全然着かないので仕方なく引き返してきたのだそうだ。

Soh_0027_173_2Soh_0030_089  2日目に続く。    

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