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2012年2月29日 (水)

2010年ネパールトレッキング アラウンドアンナプルナ 11日目 ムクティナート~カグベニ

2010年10月11日。

Annapurna2010small188_2Annapurna2010small189  ムクティナートの宿は快適だった。この宿は来る度にお世話になっているのだが、今回は部屋にガスのシャワーが入っていた。車道が入ってきてこの宿も潤ってきたのだろうか。久し振りのホットシャワーで、汚れや疲れを洗い流す。

夕方6時に夕食で食後すぐ倒れるように寝てしまい、目が覚めたのが朝6時。

Annapurna2010small190 11時間ぐっすり寝入ってしまったのは久し振りだ。おかげで体調はすっかり回復。ひと安心だ。朝食後7:45に出発。

もう飛行場まで下り坂しかないし、車道が通っている安心感からか、すこぶる調子が良い。

Annapurna2010small192Annapurna2010small191  ジャルコット手前までは比較的急な傾斜の道を降ってゆく。この辺り見晴らしが良く背後にムクティナートから歩いてきたトロンパス、正面はジャルコットからダンプスピーク。左手には8000m峰のダウラギリがうっすらと顔を覗かせていた。

Annapurna2010small193Annapurna2010small194  ジャルコットは突き出した稜線の上に築かれた城砦のような集落で、石積みの壁に泥を塗り、その上に白い塗料を被せた建物は、昔のシルクロードの町にタイムスリップしたかのようだ。

Annapurna2010small195Annapurna2010small196  だが今回来てみたら電線が町の至る所に張られてしまい、新しい寄宿舎も出来て景観がだいぶ損なわれてしまっていた。住民にとっては景観も何もあったものではないのだろうが、何か寂しい気がする。

Annapurna2010small198Annapurna2010small197  日本も同じような感じで変わっていったんだろうな、と思う。日本に来た外国人が、昔の景観にこだわる理由が分かる気がした。8:45に到着。

名前の末尾の「コット」というのは「遺跡」という意味なので、実際昔は砦か何かだったのかもしれない。周辺は手のつけられていない遺跡がたくさん眠っているそうで、実際遠目に幾つも断崖に掘られた墳墓と思われる洞穴や廃墟などが目に入る。

入り口には池があり、背の高いポプラの木で林のようになっている。マナンから木らしい木を見ていないので、なんだかほっとする。

Annapurna2010small199Annapurna2010small200  ジャルコットの中ほどで子供たちが食器を洗っていた。傍らに簡素な石臼があり、そこで大人たちが何か突いている。聞いたら乾燥させたヒマラヤ杉の葉っぱだそうで、お香の材料として使われるのだそうだ。こうやって作られていたのか。

ジャルコットを通り過ぎ、15分ほど歩いた場所で小休止していると、足元に妙な形の岩が転がっているのが目に入った。拾ってよく見てみると、なんとアンモナイトの化石だった。下流の川原で拾えるのは知っていたのだが、この辺りで見つかるとは初めて知った。

川のものは水流で磨かれて丸くなっているのが多いが、この辺りのは地層から直接剥がれ落ちたものらしく、はっきりと判るものが多いようだ。

Annapurna2010small201Annapurna2010small202  崖の中ほどには直径1mくらいの大きなアヤシげな石もあった。本物だったら大変珍しいのかもしれないが、そうだとしても重すぎて運べないだろう。

道はポプラの林を抜け、いきなり何も無い乾燥地帯に入っていく。この辺りは木が生えている場所との差が非常に激しい。正面だけ見ていたら、急に砂漠に放り出されたような感じだ。

途中から車道に合流した。車道といっても交通量はほとんど無く、僕たちトレッカーと巡礼のインド人達が歩いているだけだ。ごく稀にバイクや乗り合いのジープとすれ違う。今はどうだか判らないが、2010年当時はまだまだマイカーで来られるような場所ではなかったようだ。

Annapurna2010small203Annapurna2010small204  広がった道に多少戸惑いながらも、視界が良く歩きやすい道を、気分良く歩いていく。右手にだだっ広いヤクの放牧地が広がっており、その先の谷底には集落の跡が見えた。

後方はムクティナートやジャルコットが次第に小さくなっていき、先にある角を曲がると隠れて見えなくなってしまった。どうやらあの角で見納めだったらしい。

Annapurna2010small205Annapurna2010small206  その先で車道は直接エクレバティへ向かう道とカグベニへ向かう道とに別れる。僕たちはカグベニへ。急いでいるなら、エクレバティ経由で空港のあるジョムソムへ今日中に行ける。

Annapurna2010small209Annapurna2010small207  岩と砂と道しかない寂しいエリアを降っていく。だんだん風が強くなってきた。

この辺りは、どういう具合なのか知らないが午後から必ずと言って良いほど強風が吹き荒れる。強風といっても並みのものではなく、立っていられないほどの砂嵐になってしまうのだ。

前回はその中を何日か歩かされ、全身砂だらけになった事がある。サングラスが無ければ目を開けられないし、カメラも砂で壊れるのでザックの奥へしまわなければならない。

Annapurna2010small208Annapurna2010small210  ジョムソムの空港も、いつも午前中しか開いていない。午後はなるべく行動を避けた方が良いのだ。

ああきたか、と思ったがすぐ下にカグベニの集落が見えてきた。

Annapurna2010small211Annapurna2010small212  道は歩道と車道の2つあったが、歩道の方は歩くのは止めよう。途中の斜面が車道でえぐられ、行き止まりになっている。無理して降りられるような高さではなかった。しかも2010年時点では標識も無い。僕たちも100mほど引き返さなければならなかった。

急な崖に車道を作ったため、車道はくねくねとえらく遠回りに降りていった。それでも13:00、あっけなくカグベニに到着。昨日に比べたら物足りないくらいの歩行だった。

カグベニはジャルコットに似ていて、周囲の荒涼とした地形にぽつんと浮かぶ、オアシスのような村だ。川の水を引いてきて畑を作り、丁度収穫の時期だっただけに結構豊かな村に見える。この農地は日本人の技術支援によるものなのだそうだ。

Annapurna2010small213Annapurna2010small214  時間に余裕があったので宿に荷物を置いて村を散歩することにした。

村は入ってみると結構大きく、ほぼ全ての建物を石と泥で積み上げた城砦のように造っているので、さながら太古の遺跡の迷路に迷い込んだかのような錯覚に陥る。砂嵐と寒さを防ぐ生活の知恵だったのだろうか。

Annapurna2010small215Annapurna2010small216Annapurna2010small219   途中、村の中ほどにあるカグベニ・ゴンパに立ち寄った。チベット仏教サキャ派の寺院で、ここに住む若いお坊さんが中を案内してくれた。600年ほどの歴史を持つ寺院だそうで、本殿の端には当時の経典が今も大切に保管されている。

Annapurna2010small220Annapurna2010small217屋上にも上げてもらい、なかなか見られないカグベニ中心部を上から眺めることができた。

ここに来て初めて判ったのだが、この寺院は川の端に建っていて、寺院の足元を今も川の流れが削っている状態なのだ。

このまま行けば、この寺院が崩れてしまうのも時間の問題だろう。何か対策など立てていればいいのだが・・・。

12日目に続く。

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2012年2月24日 (金)

2010年ネパールトレッキング アラウンドアンナプルナ 10日目 ハイキャンプ~トロンパス~ムクティナート

2010年10月10日。

今日はいよいよ今回のトレッキングのハイライト、標高5.400mのトロンパス越えだ。

一般人が通過する峠の中では、世界一高く長い峠らしい。

長距離を歩かなければならないし、昼前からは峠は猛烈な風が吹くことが多いため、なるべく早く出発するのがこの峠越えのセオリーだ。

早朝5時。もちろんまだ暗いうちに荷物をまとめ、クッキーとミルクティーだけほおばって5時45分には出発した。

なんと外は吹雪。かなり寒い。だが前回よりは積雪もなく風もなかったので、まだ良い方だ。もし初めてだったら、きっと慌てていただろうな、と内心苦笑しながら出発した。

3度目となればお手の物である。何事も経験するというのは強いものだ。むしろ新雪なので歩きやすいだろう。

やはり、以前アイスバーンで滑れば谷底へ真っ逆さまだった場所は、うっすらと積もった普通の道だった。これならば峠まで問題なく歩けると思う。

Annapurna2010small163Annapurna2010small162  出発して1時間、ようやく辺りがうっすらと明るくなってくる。降雪は少なくなってきたが、霧に巻かれていて視界は無い。後ろから馬に乗った現地の青年が急に現れ追い越していった。きっとこの先で歩けなくなったトレッカーを見越して先回りするのだろう。

まったく商魂たくましいが、いざという時には心強いに違いない。

さらに1時間ほど歩くと中腹のバッティに到着した。一応宿泊もできるようだが、リスクが高すぎるだろう。

Annapurna2010small164 中はトレッカーでごった返していた。前回は12月上旬だったので僕をいれて5人程度だったが、今回は休める場所も無さそうだった。

高度順応もどうやらうまくできているようで、あまり疲れていなかったので先を急ぐことにした。

とはいえこの高度では歩き始めた途端に息が切れてしまうので、歩幅は牛歩の如く狭く歩くのだが。

Annapurna2010small165Annapurna2010small166  傾斜は緩くなってきて、視界もある程度広がってきてはいるのだが、あそこが峠だろうと行ってみたらさらに先が続いていたりというのを繰り返しながら、ひたすら登っていく。

気温はマイナス15度前後。タルチョも霧氷でガチガチに凍り付いていた。寒いのはもちろんだが、風が無いだけまだましだと思おう。

そのうち視界を狭めていた霧が消えはじめ、真上に青空が見え始めた。

Annapurna2010small167Annapurna2010small168  すると峠が祝福してくれたかのように目の前の景色が見え始め、前方に小さくタルチョと看板が確認できた。トロンパスに到着したのだ。8:45着。出発して3時間だった。

峠の頂にある標識は、以前よりタルチョが多く掛けられていた。それ以外は変わっていないようだ。

Annapurna2010small170Annapurna2010small169  振り返って歩いてきた方向は暗い雲が立ち込めて何も見えなかったが、峠の向こう側は綺麗な青空が遥か彼方まで続いていた。天気は良くなっていくようだ。

前方にダンプスピークやムスタンの山々が、壮大なスケールで目の前に迫っている。

あまりに広大すぎるし、空気が薄いせいか霞もほとんど無いので、毎度の事ながら遠近感や距離感がつかめず戸惑ってしまう。まるで壁に貼った大きな絵を見ているような感じだ。

Annapurna2010small171Annapurna2010small174  峠の稜線を辿っていくと、その先にはトロンピーク(6.144m)の巨大な山が迫っている。後日、同じ日に日本のパーティがこの山に登っていたと聞いた。無事成功しなのだろうか。

僕たちもこの峠にタルチョを掛けさせてもらう。この旗をかけるというのは、ヒマラヤの神様に無事に辿り着けたことへの感謝の意を伝えるという、チベットでの風習なのだ。

さすがに峠は風が強かった。タルチョをかけたり記念写真を撮っているうち体はすっかり冷え切ってしまい(何せカメラ操作のために手袋を外しただけで、すぐに手が凍えてしまうのだ)、取り敢えず脇にある小さなバッティに入って休憩することにした。

バッティは昔からある石を積み上げただけの簡素なもので、人間が10人も入れば満員になってしまう。

ここも例によって混雑していたが、背に腹は代えられないので詰めて座らせてもらった。

暖房などはもちろん無いが、風が無いだけでまだだいぶ暖かく感じる。でもここもマイナスだ。
この高度なので沸点が低く注文したミルクティーもややぬるめだったが、それでも体はじんわりと温まった。

こういう場所で一旦落ち着いてしまうと、なかなか立ち上がれないものである。結局トロンパスには1時間近く滞在してしまった。埒が明かないので「セイヤッ」と声をあげて一気に外に出る。うーさぶい。

9:30、トロンパスを出発。峠は風が強かったが、一旦降り始めたらピタッと止んでしまった。

Annapurna2010small173 雪は積もってはいたが、傾斜も緩く青空の下、壮大な景色を見渡しながらの歩行は素晴らしく気持ちが良い。

ずっとこんな道が続かないものだろうか。

Annapurna2010small172 積雪が薄くなってきた辺りでロバのキャラバン隊とすれ違った。なんと向こうから登り上げてきたのだ。

前途の通りムクティナート側からの峠越えは僕たちにはかなり困難なものなのだが、現地の慣れた人々には関係ないらしい。この時間でこの場所なら、出発時間は相当早かったに違いない。だがロバは息も絶え絶えといった感じで可哀相だったが。

しばらく歩くと道は急下降になっていく。雪はいつの間にか消えていた。ここは長い降りなので、細心の注意を払いながら歩く。以前は2回ともこの辺りで足に豆ができて、この後の歩行が大変だったのだ。

1回目は足裏に6個出来て全部つぶれ、プーンヒルまで歩くつもりがベニへ降りてしまった。2回目は全部歩けたが、やはり4個つぶれたので大変だった。どちらもここからさらに5日~8日歩くのだ。

途中で休憩した場所はスンパティの群生地だった。追いついてきたイギリス在住の日本人女性は知らなかったそうで、教えてあげたら大層喜んでいた。ひとつまみ、袋に入れて大切そうにザックにしまう。火をつけなくてもそのままでほのかな香りが漂うので、仕事場に置いておくのだそうだ。

Annapurna2010small175Annapurna2010small176  休憩した場所からさらに急降下。傾斜はきつくなっていくが、今回は雪が無かったために比較的楽に降ることができた。この辺りからムクティナートの集落が見えてくる。まだまだ先だが、視界に入ると安心感が違う。

前回この辺りは結構深い雪が積もっていて、アイゼンを使いながら慎重に降ったので結構時間がかかったものだ。

Annapurna2010small177Annapurna2010small178  急降下がひと段落した場所に宿が3件ほど立ち並んでいた。以前はバッティが2件建つ辺鄙な場所だったが、こちらからトロンパスを越える人が増えてきたのだろう。11:00に到着。

ここでまた休憩し、簡単な食事を済ませる。だいぶ降ったし日も昇ったので暖かい。同じ所で休憩したオーストラリア人のお姉さんはまだ20代前半で、一人旅でここに来ていた。

11:30出発。ここからは傾斜は緩くなり、歩きやすい道に変わる。ムクティナートも近づいてきて、気持ちも軽くなるせいか歩いていて楽しい。途中から車道を作っていた。まだ開通していないようだったが、もうジープなら入れるだろう。地元の人たちには良いのだろうが、なんだか複雑な気持ちになる。

1時間ほど歩いた辺りで道が二股に分かれていた。橋を渡ってショートカットできる道と、一旦川辺に降り川を渡って登りあげる道だ。当然橋の方へ歩いていたのだが、この橋、どこかおかしい。

良く見ると袂のロープを留める箇所が1本抜け落ちていた。分岐の所で知らせておいて欲しかったが、ここまで来て引き返すのも面倒だ。1本のロープなら大丈夫だろうと、慎重に渡ってしまった。後から来た外国人パーティは引き返していた。渡った感じ問題ないようだったが。

Annapurna2010small179Annapurna2010small183_2  そこからさらに1時間半ほど歩いて、14:00ようやくムクティナート入り口に到着。長い道のりだった。ここからはムクティナートや周辺の村々が一望できる。展望の良さは抜群だ。

ムクティナートまでなら過去3回来ていて今回4回目なのだが、今回来てみて大きく変わっていたのは、車のエンジン音が聞こえていたことだ。

Annapurna2010small180Annapurna2010small181  とうとうこの場所にも文明の力が入ってきたわけか。しかしよくここまで車道を通すことが出来たものだ。ここから先、カロパニという場所からタトパニまでは深い谷底を通るような険しい場所だったので、どこをどう通したのか不思議でならない。

Annapurna2010small182 ムクティナートは大昔から聖地として神聖視されていた場所で、ネパールだけでなくインドからも巡礼者が絶えず訪れている。今回車道が開通したことによって、巡礼者は飛躍的に増えたそうだ。

訪れた寺院では、山には縁がない一般人のらしい服装をした人達も多かった。

Annapurna2010small184Annapurna2010small185  村の上部に壁で囲まれた寺院が集まるエリアがあり、この中にチベット仏教、ヒンドゥー教の寺院がいくつも建っている。中心には清水を引いてきて108個の口に分けて落としている場所があり、これに浴びると魂が浄化され解脱できるそうだ。巡礼者でこれに浴びる人たちは多い。冷たい雪解け水だ。

トロンパスから比べるとまるで春のように暖かく感じられるが、ここはまだ標高3.700m。水浴びには寒すぎる。信仰の力は凄いものだなあ。

Annapurna2010small186Annapurna2010small187  隣には天然ガスが出ていて、何百年も消えていない火が祀られている寺院がある。この消えない火を目の当たりにした昔の人たちは、神様の力を感じここを聖地としたのだろうか。

寺院にお参りしている所で気が抜けたのか、急に熱っぽくなり気分が悪くなってしまった。

酷くはないがどうやら風邪の予兆らしい。村の散策はせず、大事を取ってそのまま宿に入り食事以外は部屋で休むようにした。

11目に続く。

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