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2012年9月19日 (水)

2011年 チベット カイラストレッキング 3日目 ニャラム~サガ

2011年5月29日。

Kailas2011small082Kailas2011small084  この日の天気は、朝から幸先良く晴れ渡っていた。ニャラムに着いて以降ずっと曇り空だったのでなんだか違った街に見える。

炊事場で早めの朝食の後、ランクル4台にそれぞれ分乗。ネパール時間8:00に宿を出発した。

Kailas2011small086Kailas2011small088  ニャラムを出てしばらく登り坂を走る。道はずっと広く全く段差の無い快適な舗装道路だ。

中国はこんな辺境までちゃんとした道を伸ばしている事実に、改めて驚かされた。

後で聞いた話だが、中国が何も無いチベット高原にここまで道を造っている理由は、一つは景気の良いうちにできるだけ交通網を発達させたいからということと、もう一つはチベットで内乱が起きた際に早く駆けつけられるようにするため、ということだった。中国のチベット統治はもうかなり深いところまで進んでしまっているようだ。

Kailas2011small089 ただ、現地で生活している人々が便利になったのは間違いなく、それまで原始的な生活をしていた村々も物資が入り、生活スタイルもかなり変わってきているように見える。

道路舗装の仕事も現地の人々が請け負っており、仕事ができて暮らしが豊かになったと思えば、なんだか悪いことだけでもないような気もした。チベット文化への侵食を棚に上げれば、の話だが。

差別や迫害も未だにあるというし、アメムチだけでどこまでチベットの人々を懐柔できるのだろうか。

やがて車道は直線が多くなり、右手には巨大なヒマラヤ山脈が広がり始めた。時々小さな村を通り過ぎてゆく。

綺麗な舗装道路とその村々の以前と変わらないようなのどかさが、ひどく対照的だった。

再び道は坂のカーブの連続となり、峠にさしかかっていった。ニャラムを出て以来、樹木は一切見かけない。

低い草地は時々見かけるが、この辺りまで来ると遥か彼方まで荒涼とした砂漠地帯が続いている。

代わり映えしない景色が続くが、高度だけはどんどん上がってゆき、少しづつ彼方のヒマラヤ山脈が見えてきた。

Kailas2011small093Kailas2011small095  南の方に雄大なシシャパンマ(8,012m、初めて日本人が登った8,000m峰)が見え始めたところが、ラサ~カトマンドゥ間での最高地点の峠、タン・ラ(5,050m)だ。9:15に到着。ここでランクルを降り、記念写真を撮ることにする。

流石にたった3日目で5000mへ行くと息苦しい。車だからできることで、歩きならばとっくに高山病になっているところだろう。あまり負担の無いように、ゆっくりと体を動かすようにした。

Kailas2011small104Kailas2011small105  外に出ると風が強い。峠の周辺はたくさんのタルチョが張られており、それが勢い良くはためいている。それだけ人々の往来が多いことを物語っていた。

周囲は360度荒涼とした大地が広がっている。南側は先のシシャパンマを始め、ヒマラヤ山脈の高峰がずっと先まで連なっていた。知っている山もあるのだろうが、どれがどの山なのか反対側からだと判らない。

Kailas2011small098Kailas2011small106  この場所からだと、ヒマラヤの山々が「ちょっと小高い山」くらいに見えるのが不思議な感じだった。

ネパール側では深く切れ落ちており、見上げるようで迫力があるのだが、同じ山でもチベット側は5000mから見渡すので迫力は無く普通の山に見えるのだ。

Kailas2011small094 峠には小さなテントに人が住んでおり、お土産屋のようで辺りで拾った化石などを並べて売っていた。アンモナイトの化石が多い。ここが海の底の時代があったなんてといつも思う。

はためくタルチョのなかから丁度良い場所を見つけて、僕たちも用意してきたタルチョを張った。

タルチョは旗それぞれにお経が印刷されていて、風にはためかせることで風に乗せてお経を自然の神々にお供えする、というものだ。いろいろな意味があるが、今回はヒマラヤの神々に旅の安全をお祈りさせていただいた。

Kailas2011small108 峠のゲートを見ると、どこから来たのかチベットのお婆さんが立っていた。周りを見ても土産屋の兄ちゃんのテント以外集落は無いので、このお婆さんはどこからか一人で歩いてきたことになる。

いちばん近い下の集落は僕たちでも丸一日かけて着くかどうか、くらいの場所だ。本当にどこから来て、どこへ向かうのだろうか。話しかけてみたが、チベット語なので何を話しているのか皆目判らない。

Kailas2011small102 そうこうしているうちに、後発の僕たちの食材やテントなど物資を積んだトラックが追い越していった。これを合図に、僕たちも車に乗り込み峠を後にした。

道はタン・ラから2,3キロほどフラットが続いた後に、カーブの多い下り坂に変わった。

Kailas2011small111Kailas2011small112  ここの峠は広い丘のような場所だったようだ。しばらく降っていき、勾配が緩くなってきた辺りで車は左へ折れ、ラサへの道から外れて砂利道へ入っていった。

砂利道と入っても荒れているわけではなく、綺麗に整地されていたので舗装は時間の問題かと思われた。もう今頃は舗装されているかもしれない。

数年前まではこの辺りもずっと荒地で、スピードを出せるわけも無く車の揺れに耐えながらカイラスへ向かったのだそうだ。

極度の乾燥で一度車が通ればしばらく前が見えなくなるほどの砂埃だが、以前に比べたらここもずいぶん良くなったようだ。

Kailas2011small113Kailas2011small114  途中チェックポストの前後だけ綺麗に舗装された場所があった他は、この日の宿泊地サガまでずっとこのような砂利道だった。

見渡す限り、360度小山と荒地と空。話は聞いていたが実際に見てみるとやはり違和感がある。緑がひとつも無いのだ。標高は4000m以上あるので寒いはずなのだが、車の窓から当たる直射日光は真夏のそれだ。

浮いている雲は近く、動きが早い。平地なので一見低地にいるような錯覚があるのだが、すぐ上に流れる雲が高い場所にいることを教えてくれている。

Kailas2011small121Kailas2011small120  時折ヤクや羊、ヤギなどの集団を横目でみる。人と一緒に歩いているところを見ると、こんな所でも放牧されているようだ。人間の住居はどこにあるのだろうか。

かすかに緑が見えてきた。少し行くと湖があるようだ。そう思った辺りにたった1ヶ所、ぽつんとドライブインのような場所があった。ここに入って昼食。

Kailas2011small127Kailas2011small122  通されたダイニングは清潔だった。しかし食事は、僕たちが麓で用意したものだ。連れて来たコックさんがここの厨房を借りて作ってくれていた。

ここの食事もあるにはあるが、材料が不足していて人数分の用意ができなかったのだそうだ。聞けば前後100キロ町も無いのだそうで、買出しもなかなか行けないらしい。

Kailas2011small124 ただ、ここの女性ができたてのバター茶を振舞ってくれた。これがなかなか美味しい。日本では恐らく飲めたものではないのだろうが、乾燥した高地で飲むこのお茶は格別だった。きっと体が欲しているのだと思う。

僕も高度障害こそ出ていないが、人間は普通高地に慣れるまではその場所にいるだけで体力を消耗していくのだ。

お腹も落ち着き水分も潤ったところで、13:00出発。

Kailas2011small134 出発してすぐ右手に、大きな湖が現れた。ペンクン・ツォ(4,591m)という湖らしい。

意外かもしれないが、チベット高原は高地に関わらず湖が多い。しかもそれぞれがかなりの大きさだ。なぜこんなに多いのかは今もって謎らしい。ただ塩湖が多いそうで、生活にはまず役に立ちそうにない。

Kailas2011small138Kailas2011small136  何も無い平原と、遠くに山々、近くに漂う雲と青空。真ん中に澄み切った湖の水平線が横たわった絵はいっそ潔い。木がないというだけなのだが、この開放感はここに来ない限り味わえない気がする。

遠くでは小さな竜巻が、幾つも沸いていた。

Kailas2011small140Kailas2011small141  車道は湖が見渡せるくらいに高度を上げ、湖と離れ小さな集落を通り過ぎた。

そこから小さな峠を越え、しばらく走ると広い川原に出た。川原を走っていると右手に町のようなものが。

Kailas2011small142 一旦通り過ぎるが、橋を渡って回り込むようにいくと、チベットではかなり大きそうな街に入っていった。

ここがサガという街らしい。チベットのサガ県の県府だそうで、政府庁舎もあり中央部は結構活気がある街だった。インドからのツアー客もここに宿泊しているようだ。

Kailas2011small144Kailas2011small145  僕たちはここをそのまま素通りし、30分ほど離れた人気の無くなった川沿いの広場で車を泊めた。

今日の宿泊地だ。16:00に到着。

今夜はここにテントを張る。キャンピング生活の始まりだ。

4日目に続く

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