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2013年4月29日 (月)

展示会のお知らせ

Indexphoto展示会のお知らせ

萩原壮平 第10回

ヒマラヤの旅 写真展

~ネパール・チベット ヒマラヤの自然・人々の営み~

会期:2013年5月1日~15日

 今回は第10回目の節目として、これまで撮影した写真をダイジェスト的にまとめてみました。見応えのある展示会になると思います。

 ネットショップにて紹介している珍しいチベット仏教の法具類や、曼荼羅、アクセサリー類ももちろん展示いたします。

 お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りくださいませ。

会場:茶房ギャラリー 千楽

群馬県高崎市東貝沢町1-18-14

TEL : 027-362-181 / 090-3527-6176 (携帯)

地図はこちら
http://yahoo.jp/lkUPsc

10:30~18:30 月曜日定休

*なお展示会開催中は、自宅店舗はお休みいたします。

2013年4月22日 (月)

2011年 チベット カイラストレッキング 7日目 カイラス/チュク・ゴンパ~ディラプー・ゴンパ

2011年6月2日。

7日目。6時に起床し、テントを出て皆の集まるチベット人の茶店へ向かう。

Kailas2011small277ここは車道の車道の終点で、徒歩による巡礼の起点となる場所らしく、チベット人が構える茶店の大きなテントが2軒建っている。

僕たちはこの店の一角を借りて、飲食できるようにしてもらっていたのだ。

天気はまだ雲が立ち込める生憎の天気だったが、真上には時折青空が見えるなど昨日よりは良さそうだ。

テントに入ると、参加者一名の体調が思わしくないらしい。今日と今後の予定と対応について話し合っているところだった。

その方は眠気が取れずすぐに寝込んでしまい、日常生活にも支障をきたしてしまうことになってきてしまったのだそうだ。

典型的な高山病の症状だった。高度順応日を充分にとってきたとはいえ、ここは標高4800m。山に慣れていない人はかかってしまっても何の不思議も無い場所だ。

高地の旅は、常にこういったリスクは付きまとう。知識と経験でいくらかカバーできるが、何度も高地に訪れている人であってもコンディションによってはかかってしまうこともあるのだ。

僕自身も人事ではない。まして罹った方は初めての高地、勝手も判らなくて当然だろう。

まだ苦痛を伴う症状が現れていないのが幸いだったが、すぐに低地へ降ろす必要があってもここから3日はかかる。その間ずっと4500m以上なので、早めの対処が必要だった。

簡単な朝食を食べながら相談した結果、チャーターしたランクル1台、サポートするスタッフ1名とドライバー1名を付け、先にダムへ降って待っていてもらうことになった。

そこでもまだ2350mあるが、ここまで降れば大丈夫だろう。最悪カトマンズまで降ればいい。

Kailas2011499_2せっかくここまで来たのに残念だが、命には代えられない。出発前に皆で記念撮影をし、その方のためにも必ず巡礼を成功させると約束して全員で見送った。

さて、僕たちもそろそろ出発しなければならない。

僕と主催者の堀尾さん以外の日本人は、全員馬を借りることになっていた。

馬の手配にはもう少し時間がかかるということで、僕と堀尾さんは先行して歩いて出発することになった。

どう考えても馬の方が早いので、少しでも先に進んで合流した方がスムーズだろうと判断したためだ。

荷物をまとめて、7:45には出発。

Kailas2011small279Kailas2011small280上流に向かって左手の崖の中腹に、ゴンパらしき建物が見えた。これがチュク・ゴンパらしい。昨日は薄暗かったため気が付かなかった。

カギュ派で13世紀に建てられた僧院だそうだがしばらく放置されていて、80年代後半に再建されたのだそうだ。

Kailas2011small273道に目をやると、チベット人らしい巡礼者が一心不乱に五体投地をしながら上流を目指していた。話はよく聞いていたのだが、この場所で実際に見るのは初めてだった。

五体投地(キャンチャ)とは、全身を地面に投げ打って(うつ伏せになって平伏す)身と言葉と心を仏法へ帰依を示すお祈りの方法で、チベット文化圏ではポピュラーなお祈りのフォームだ。

仏像や高僧の前でするのが普通なのだが、中にはこれでカイラスを一周したり、聖地巡礼までする者がいるのだから尋常ではない。カイラス一周に約16日。ラサからやれば約6年、1200キロもするのだそうだ。

もちろんサポートする側もいるのだが、いなければ荷物を積んだヤクを引きながら自分で全てこなさなければならない。いずれにせよお金もかかるのだ。

ここまでして苦行をする彼らの信仰心は僕の想像をはるかに越えてしまっていて、ただただ恐れ入るばかりだ。

Kailas2011small282Kailas2011small286出発してすぐ道は細くなり、巡礼の道らしくなってきた。傾斜はあまりなく歩きやすいが、昨日の雪が少し積もっていたので慎重に進んでいく。真上には青空が出ているが、向かう先は霞んでいて吹雪のようだ。

今から心配しても仕方が無いが、変わりやすい天気に期待するしかない。

Kailas2011small284Kailas2011small2871時間ほど進むと両側が巨大な1枚岩になった。向かって右側の奥にはうっすらともう一つ岸壁が聳えている。

地図を見るとどうやらこれはカイラスの一部らしいが、吹雪いているせいかあまりよく見えなかった。

Kailas2011small285Kailas2011small288さらに進むと視界が開け、山に囲まれてはいるが大きな広場のような場所に出た。

そこにも例の茶店の大きなテントが2つ建てられていた。

時計を見たら時間は11時前だった。歩いている間に後発隊が追いつくと思ったが、遠くを見ても来る気配が無い。良い時間だったのでこの茶店で休憩し、皆さんを待つことにした。

Kailas2011small290上流へ向かって右手のテントに入ると、中ではチベット人の女性が一人だけいてバター茶を作っているところだった。

細長い筒の中にヤクのバターとミルク、塩を入れて攪拌している。先日書いたように決して美味しいものではないのだが、高地ではなぜか欲しくなるのだ。

テントの中は結構暖かかった。先程のバター茶を頼み1時間ほど待っただろうか。向こうから小さく馬を引く一団が近付いてきた。目を凝らすと後続の方々のようだ。

Kailas2011small289Kailas2011522_2日本人全員が馬に乗り、チベット人やガイドさんが横を歩く姿は、さながら豪商のキャラバン隊のようだった。

皆さん無事に辿り着いたのでまずはひと安心。やけに時間がかかったので聞いてみたら、馬が人数分なかなか集まらなかったらしい。また、僕たちの荷物を運ぶヤクの手配もしていたようだ。

一同テントに入って同じように皆さんにバター茶を振舞い、一息ついたらすぐにまた出発。

外は雪が舞い、風も強くなってきたので早めに目的地へ向かうことにしたのだ。

道は思ったより広く、傾斜もあまりなく歩きやすかった。時々車道のように意図的に広げた場所もある。後々車を入れるつもりなのだろうか。

大きく川に沿って右へ曲がって伸びている。風もさらに強くなり、吹雪のようになってきた。

その中を黙々と2時間くらい歩いたと思う。視界はあまり無かったが、目前に小さなロッジ風の建物と大きなテントが幾つか張られた集落が現れた。どうやらこれがディラプーゴンパ前の宿らしい。周囲は吹雪のため何も見えなかった。

気温も低かっただろう。テントの前はぬかるんでいたようだが、今はガチガチに凍り付いていた。

すぐにテントに入ったのは午後1時過ぎ。暖を取りながら昼食を取った。

Kailas2011small305Kailas2011small306今日の日程はここまでだったので、外が吹雪いていても問題ない。明日の日程だけが心配だった。

地図を見るとディラプー・ゴンパが川を挟んだ対岸にあるようだ。このお寺は13世紀に建てられたそうで、ディラとは「牝ヤクの角」のことでそれにまつわる伝説があるらしい。ここからのカイラスの眺めは素晴らしいそうで、ここに寺を建立する気持ちもわかる気がする。吹雪が止むのを祈ろう。

Kailas2011small292Kailas2011small293昼食を済ませしばらく中でのんびりすることになった。ここの宿は家族で経営しているようで、子供も一緒に住んでいた。ここは標高5,210mの極寒の地(外はよほど寒いのだろう、小鳥も一羽入ってきていた)にも関わらず、外や中ではしゃぎ回っている。その度にテント入り口のシートがめくれるので、その都度僕たちが寒さで震えることになる。

いいかげんしにてくれ、と思い始めた頃、外の視界が晴れ始めたとガイドさんの声が聞こえた。

現金なもので打って変わって寒さを気に留めず、僕たちは外に飛び出した。カイラスを見るために、ここまで来たのだから当然だろう。

Kailas2011small303Kailas2011small304テントの脇から小さな高台に登ると、目の前に巨大なカイラスが、見たことのある姿で聳え立っていた。

まだ山頂付近が雲に覆われていたが、威厳に満ちた姿を知るには充分だった。

Kailas2011small297Kailas2011small298周囲の山々とは明らかに違う孤高の独立峰。太古からこの山が神聖視されてきた理由が良く判る。

宗教上誰も近付けないので定かではないが、聞くところによるとヒンドゥーの行者やチベット密教の修行僧が、1000年を越えて今も生きてこの山に暮らしているらしい。

Kailas2011small307_2Kailas2011small311また伝説では、吟遊詩人で行者ミラレパが山頂に行ったと古文書に書かれているが、定かではない。

黄金郷シャンバラの入り口とされるなど、数多くの伝説に彩られた神秘の山なのだ。

ヒンドゥー教ではシヴァの住む山。

Kailas2011small319Kailas2011small316仏教ではその宇宙観がそのまま地上に現れた曼荼羅で、カイラスは大日如来(仏陀)で周囲の山々は菩薩や神々とされている。

ボン教では開祖シェンラプ・ミウォが天から降り立った地とされ、ジャイナ教では開祖が悟りを開いた場所とされているそうだ。

因みに日本人で初めてここを訪れた人物は河口慧海。明治時代の修行僧だ。今もこの人が書いた旅行記が書店にも置かれている。

僕たちは風も寒さも忘れ、しばしこの偉大な山の姿に呆然としていた。

Kailas2011542_2Kailas2011557_2そのうち我に返ったように歓声が挙がり、各自記念写真を撮る者、般若心経を唱える者、それぞれ自分の思う形で感動を伝えようとし始めた。

ひとしきり感動が終わる頃に日が暮れてゆき、カイラスの姿も霧の中に隠れてしまう。

まるで僕たちの為にわざわざ姿を見せてくれたかのようだった。

8日目に続く。

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管理人のホームページ(過去のトレッキング記録)

Reset your compass

http://www.geocities.jp/ddngj018/

管理人のネットショップ

ネパール・ヒマラヤ雑貨専門店「カラパタール」

http://nepalzakka.sakura.ne.jp/

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